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2011年12月27日

by your side to the limit


「あそこが限界ですからね」

仙台から国道6号線を南下して、原発20km地点に行く。
花粉しか防げそうもないマスクを付けた若い警官が検問に立っていた。
「この先で暮らす人は?」
「誰もいません。入ることはできませんから」

国道の検問脇に花とお茶が供えられている。
事故だろうか。それともここに津波被災者のご遺体でもあったのだろうか。
疑問を抱えつつすぐ横にあるドライブインで遅い昼飯を食べた。
食後に店主からひとしきり話を伺う。被災地の今が知りたくて歩いている。
話が終わり、礼をしてから聞いてみた。
「あの花は、事故か何かですか」

「いやぁ、違う。この先で10体ほどまとまってご遺体が見つかってね。
 捜索が入れないから、作業員がたまたま作業中に見つけたんだ。
 その遺族だろうね。あそこが一番近い場所なんだ」

福島県南相馬市

posted by daisuke-m : 2011年12月27日 10:46