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福島県双葉郡浪江町のとある牛舎。
ここはKさんの牛舎。 彼には昨年5月に初めて浪江町に来て、一宿一飯の恩がある。 彼のご両親にも、見ず知らずのものというのに、本当にお世話になった。
頭では分かっていた。 もう既にKさんのご家族も、牛たちも避難したと。 だけど、「誰だ、勝手に入って来たのは!」と叱られることを 少しだけ期待していたのかもしれない。
しかし、そこにはもう、ひとも牛も生活しているという音がなかった。 微かに残る牛の糞尿のにおいを感じると、色んな思いがこみ上げた。 ここには誰もいないのだと、改めて現実を叩き付けられた気がした。
あと数ヶ月もすると、この牛舎の前に桜が咲く。
posted by daisuke-m : 2012年02月08日 10:55